書店でいつも購入する「モダンリビング」にふと目が止まりました。
キッチンは「家具」とのタイトルに。
私が20年前から、お客様に訴えてきたこと。
「キッチンは家具なのでなるべく良いものを購入し、大事に使ってください」
やっと、天下のモダンリビング誌が理解してくれたかとちょっと嬉しくなりました。
皆さんはどうしてキッチンは家具なの?
設備じゃないの?
システムキッチンの歴史からみた「キッチン=家具」の説明させていただきます。
キッチンを設備と考えるのは日本ぐらいのもの
新築やリフォームの見積を見ると、設備機器の項目として「キッチン工事」「洗面化粧台取付工事」「ユニットバス取付工事」など住宅に係る水まわりをひとまとめにして表記してあるのをよく見ます。
これは、日本はキッチンを設備機器として見ているほかならぬ証拠です。
私が以前マーケティングしたドイツでは、キッチンは家具インテリア産業界に含まれ、ソファやダイニングセットの家具はもちろん、カーテン・ベッド・オフィス家具・システム収納家具にいたるまで同じ家具インテリア産業協会としてなり立っています。
イギリス・ヨーロッパからの移民で建国されたアメリカでも、今でもキッチンは家具として扱われ、何代にも受け継がれ大事にされています。
システムキッチンの歴史
では、どうして「キッチン=家具」なのでしょうか。
それでは、家具~システムキッチンの歴史について見ていきます。
1920年代のシステムキッチンです。
一つのキャビネットに水、ミルク、調味料、食器、お鍋などの収納、配膳台などがコンパクトに収納されます。
使わない時に、扉を閉めておけば単なる家具としてのカップボードに。
コンロとシンクはこの時代分離しています。
コンロはこの時代はストーブと言って、単独置きのスタンドタイプ。
コンロよりオーブンが調理の主役なのは今も同じです。
左にあるのは冷蔵庫です。
出展:Pinterest
シンクの左のカウンターがで作業スペースとし、その下に鍋などの調理器具、右も収納として作業性が上がっています。
中央のシンク左で食器を洗い、右が一段高くなっているので水切りスペースです。
水栓が2つあるということは、当時からお湯・水が出たのだと思われます。
クッカーは左前。積んである3段の引き出しに調味料を収納します。
これを見ても【キッチンは家具】なのは間違いない。
出展:federation-house.wikispaces.com
シンクを中心にキャビネットを配置し天板でつなげると、現在のシステムキッチンと変わりません。
窓を中心とし、シンメトリーでデザインすることも、インテリアとして美しい室内を演出します。
出展:pinterest
1940年代のキッチンです。
現在のシステムキッチンの基本が出来上がっています。
日本が流し台・かまどの時代に、欧米ではこんなお洒落で機能的なキッチンが・・・。
ご覧いただいた通り、家具を天板でつないでいって、シンクやコンロをまとめたものが、システムキッチンです。
出展:http://retrorenovation.com/
家具キッチンは輸入キッチンしかないのか
過去、家具は大事な耐久消費財でした。
高級品ですね。
日本でも婚礼ダンス3点セットなど、お嫁入りの必需品で一生もので、名古屋では100万のタンスも良く売れている時代もありました。(今でもでしょうか?)
高級品=家具=キッチン
私が考える本物の家具キッチンとは・・・
・しっかりとした職人/熟練工を抱えている
・ロボットやオートメーションで大量生産していない
・木質系の扉のキッチンが良い(メラミンや塩ビシートではない)
・キャビネットがしっかりしている(棚板や背板がペコペコ薄いのはだめ。耐久性低し)
・流行を追わない
・何年たっても修理して使える
・日々の創意工夫
・生産国以外に輸出している(日本であれば海外に輸出しているとか)
・有名人が使っている(ちょっとミーハーでしょうか)ブランド
・ある程度の価格高はしょうがない
結論:【やはり輸入キッチンに限る】