住宅インテリアのデザインテイストとして「ラスティック・デザイン」があります。
ラスティックとは、【素朴な】、【飾り気のない】、【質素】、【田舎風】と言う意味ですが今日のインテリア業界では新しい一つのデザイン表現となっています。
具体的には、ナチュラルな自然木(木質感のある)やレンガやタイル、鉄などの自然の素材をあまり加工せずにそのまま住宅・インテリアに使用するものです。
当然キッチンに於いてもそのような商品があり、どちらかと言えばドイツキッチンはそのことにとても熱心です。
ラスティック(田舎風)なドイツキッチン
参考:nobilia
日本はラスティックなデザインのキッチンは皆無かと思いますが、ドイツでは各メーカーとも一通りラインナップがあります。
しかしながら、そのデザインはどれも綺麗目なシンプルなもので、扉は大概がフラットで表面の仕上げはメラミンの人工的な素材で本物の木を使ってはいません。
これはキッチンの扉に木を使用せず、自然環境を守る理念が込められています。
実際近年のドイツの住宅では、無垢材のフローリングよりコルク材を使用した人工フローリングの需要が増えているそうです。
住宅が集まり都市を形成するなかで、インテリアも無機質でハイテクなものが多くなってきました。
それに逆行してか生活空間に素の素材を使ってシンプルに生活したいとの思いで、このラスティックデザインの人気が出てきたのだと思います。
ラスティックなキッチンをデザイン
それでは輸入キッチンに頼らず、日本での標準サイズである幅2.55mでラスティックキッチンをデザインしてみました。
詳細はこちら
- キッチンサイズ L=2550 D=900のペニンシュラタイプのキッチンとL=1800程度の食器棚のセット
- ガスおよびIHコンロ
- ミーレの食器洗い機
- グローエのシャワー水栓
- アリアフィーナのマントル型レンジフード
- 天板は、クウォーツストーン(人造石)
- 扉は、濃い木目の「ヴィンテージなオーク調」と白木地の「ホワイトパイン調」の2パターン
休日にCADにデータを打ち込んで1時間で作ってみました。
こちらが「ヴィンテージなオーク調」のドアイメージ
框タイプのドアデザインにしています。
そしてこちらが白木地の「ホワイトパイン調」のドアイメージです。
ラスティックなテクスチャがCADに無かったので近いもので設定しましたが今一つだったかもしれません。またイメージパースも少し綺麗すぎましたね。
この様に、ラスティックキッチンをコンピューターでデザインしクライアントに提案することもあります。どちらかと言えば郊外に住まわれる若い世代の方に人気があります。
ドアの素材は、ホワイトオークやパインを使うことも多いですが、価格はどちらかというと安めに設定しています。(材料費もそれ程高額ではないですから)
以上のとおり、ラスティックデザインは単なる「田舎風キッチン」という大きなくくりではなく、また機能的な住宅だけでなく、上品なクラシックでガーリーなイメージのライフスタイル、古き良きものを取り入れたインテリアは、若い世代には新鮮に映りお洒落にみえることでしょう。