打ち合わせをしていると、先方のコーディネーターから「トクラス」同等のキッチンでって話があります。
あ~あのパステル色シンクのトクラスねってわかってるけど皆さんはいかがですか。
トクラス?って聞きなれないキッチンメーカーですが、もともとは楽器で有名なヤマハのシステムキッチン。
今回はそのトクラスとトクラスシンクの紹介です。
トクラスの前身はヤマハ

皆さんもよくご存知の楽器で有名なヤマハ。
ヤマハはドイツのシステムキッチンをお手本にして、日本で最初にシステムキッチン発売したメーカーと言われています。
元々ピアノで製造で培った技術で、鏡面の高級な扉を持ったキッチンが得意でした。
当時はドイツ製かヤマハ製かで悩んでいたお客様もいらっしゃいました。
その家具・住宅設備部門を1992年に分社化し、ヤマハの100%子会社としてヤマハリビングテックが設立されます。
2010年には株式の85%をヤマハより日本産業パートナーズを中心とする投資ファンド4社に譲渡されました。
2013年6月28日、ヤマハ及び投資ファンドの出資分についてMBOを実施することと、同年10月1日付で社名をトクラス株式会社に変更することを合わせて発表しました。
2013年10月1日、社名がトクラス株式会社に変更され、ヤマハキッチンのブランドは消滅することとなります。
イナックスとサンウェーブとトステムが一緒になってリクシルになったり、TOTOと大建工業、YKKで3社提携の「TDYアライアンス」でパートナー関係を強化したりで、建材・設備会社は、合従連衡状態です。
(合従連衡とは、そのときどきの利害で、いくつかの勢力が結びつくりすること)
トクラスのシンクは使える
ヤマハは、1976年に国産初の人工大理石によるシステムキッチンを世に送り出し、それを特徴とした製品に力を入れています。
そしてヤマハリビングテック時代に発売になった人工大理石シンクは、見た目の綺麗さはもちろん機能も抜群でした。
そのシンクは今のトクラスにも引き継がれています。
トクラスのカタログで紹介しているシンクの特徴は、
ただ過信は禁物で、注意すべきことは傷とヨゴレ。
このトクラスのシンク、人工大理石製なのでステンレスやホーローのシンクよりか柔らかい素材でできています。
一般的な食器の底などの台尻は意外とザラザラしていて、シンクに傷を付ける事がありますので優しく扱った方が良いかもしれません。
また、茶渋やコーヒーのシミなどでシンクがくすんだ様になる場合があります。
この場合、説明書には「汚れたら耐水サンドペーパー#240でに水をつけて磨いてください」って書いてありますので少し頑張って磨いてください。
実家のキッチンがそうです。
このパステルカラーのシンクが発売された時は衝撃的でした。
今までは、ステンレスのシンクや人工大理石のシンクがあってもホワイトばかりで。
こんな色付きシンクが売れるのかなと半身半疑でしたが、瞬く間に住宅メーカーの設定品になっていきました。
商品力・デザイン力の勝利です。
トクラスの今
その後他のライバル会社が一斉に同じ様なシンクを発売し、トクラスが価格競争の泥沼に陥ってしまったのは、時代の流れで致し方ありません。
値引き競争で、どのメーカーも利益なんて10年前と比べて本当に厳しくなってしまって。
かつてキッチンの大きさはI型幅2.7メートルが標準サイズだったのが、今では幅2.55メートル。コストダウンも限界でしょうね。(これは流し台メーカー全般にいえることですが)
大手メーカーがI型中心の激安メーカーになったものだから、中堅のクチーナやキッチンハウスは、小回りの利くオーダーキッチンで中~高額層を受注できるというわけです。
そんなこんなで、トクラスもシステムキッチン業界も大変だという話でした。
そんなトクラスのサイトはこちら↓
トクラスのライバルメーカー LIXIL「アレスタ」の記事はこちら