今日販売されるシステムキッチンの大多数を占める人工大理石天板ですが、お困りになられているお客様もそれに比例して増えていらっしゃるようです。
そして困りごとの多くは、【カウンターの傷や汚れ・ひび割れ】についてです。
今回は、そのご質問についてのやり取りを公開させていただきたいと思います。
人工大理石のキッチン天板は補修できるか
キッチンのコーリアンにヒビが入って 修理できるところを検索していたら そちらのサイトを拝見しました。
TOTOの最初に販売したドイツ製のブルトハウプ(bulthaup)で 天板がコーリアンです。
ガスコンロ(デリシア)の角から15センチほどヒビが入り、進行しているみたいです。(よく見ないと解らないくらい細いヒビです)
クラックは写真では見えにくいですが、15センチくらいです。
柄は写真で確認できると思います。 薄い縞模様です(大理石調)
もし、天板の研磨も出来るようでしたら、修理と一緒に見積もりお願いします。(デザイン事務所)
送っていただきました写真を拝見し確認させていただいたのですが、写真を見る限りこのカウンターはコーリアンではなくTOTOか他のメーカーのものに見えます。
表面のツヤの具合、柄、過去に販売されていたコーリアンなどを検討し、それもポリ系のようです。
私のブログの閲覧者の方からたまに相談があります。この度は人工大理石のキッチン天板の補修・修理についてのご相談です。
ご相談の人工代理石のカウンターはポリエステル系の人工大理石に思われます。コーリアンはアクリル系になります。
バブルのころTOTOがブルトハウプを販売していたころ、「マーベライト?」と言うオリジナルのポリエステル系の人工大理石を売ってましたね。バブルが弾けて、TOTOがブルトハウプを止めることになって、担当の部長さんが独立して表参道の青山の裏通りの2階で再開したのですが、2年ぐらいでまたダメになって・・・。
今もまた、新たな輸入代理店が南青山にブルトハウプショールームを立ち上げ、営業されています。とてもかっこいい良いドイツキッチンなので頑張ってほしいものです。
人工大理石のポリエステル系とアクリル系とは?
さて、先に述べた人工大理石のポリ系・アクリル系とはなんでしょうか?
今日、一般的に樹脂系の材料と顔料でできたカウンター材を【人工大理石】と呼んでいます。
この人工大理石、原料となる樹脂の種類によって、主に2つの種類「ポリエステル系」「アクリル系」に分けられます。
- ポリエステル系の樹脂に無機物を混ぜてつくった素材
- 軽くいかにも樹脂といったデザイン
- 表面がテカテカしている
- 一般的に紫外線等によって黄色く変色してしまう
- 表面の汚れが取れにくい
- アクリル系人工大理石に比べて安い
- 一般的に修理は難しい
- アクリル系の樹脂を主につくられている素材
- 耐候性・耐衝撃性に優れている
- ポリエステル系に比べて高い
- 高級感がある
- ポリエステル系人工大理石に比べて工場や工事現場で加工がし易い
- 傷が付いた場合に修理が可能である
修理できる人工大理石はアクリル系だけ
今回のケース、ちょっと見ただけではどちらか判別するのは難しいのですが、ポリ系と判断させていただき修理はお断りさせていただきました。
上記の説明のとおり、修理できるのはアクリル系の人工大理石になります。
現在、かなりのキッチンメーカーのカウンターはアクリル系の人工大理石になっています。この事はシステムキッチンに適した素材と、各メーカーが判断した結果かもしれませんね。