現在キッチンカウンターの大部分は、ステンテスではなく人工大理石が主流なのは皆さんもご承知でしょう。
人工大理石は安いステンレス製キッチンのイメージを、およそ30年前に払拭して登場しました。
その当時のステンレス天板は「エンボス仕上げ」と言って薄いステンレス板の強度を持たせるために表面に小さいブツブツや井桁模様の柄がありました。
この表面の凹凸によって汚れがたまり、掃除がしにくくあまり良いものとは言えませんでした。
そこに白や石目柄の人工大理石が発売され、当時としては価格は高額でしたが予算のあるお客様には必ずといって提案して喜ばれたものでした。
人工大理石よりも高額な特注ステンレス天板
人工大理石が主流と言ってもステンレスの天板がなくなった訳ではありません。
一部のデザイナーが設計する住宅やお料理の先生のご自宅でステンレスの天板は指名され施工されています。
ステンレス天板の利点はやはり耐熱性と衛生的の2点でしょう。人工大理石は熱に弱く鍋やフライパンをコンロから置くときに「鍋敷きを使う」ことはお約束です。
この点ステンレスカウンターは心配ないです。また表面に傷が付きにくいので雑菌なのも繁殖も抑えられます。
飲食店の厨房やお料理の先生が好むのは「プロ仕様」の証です。
ステンレス天板の「バイブレーション仕上げ」とは?
ステンレスは一般的に「ヘアライン仕上げ」という一方向に磨いて仕上げるものが多いですが、私が提案しているステンレスは「バイブレーション仕上げ」という磨き目が見えないようランダムに磨いていく手法です。
このような仕上げをすることによって、ステンレスの弱点である表面の傷が目立たなくなり、永くきれいな仕上げで使うことができます。
またこのようなオーダーカウンターは1.2~2mm厚の頑丈なステンレス材を使用してつくられます。
量産品ではないので価格もそれなりに高額で人工大理石よりも高くなることも多々あります。
当然、肉厚なステンレスを使用しますので下地となる合板もしっかりした良質なものを使用しっています。天板の重量もかなりのものに・・・
キッチンカウンターとシンクの接続部
シンクは整形品を使うこともあります。カウンターと一緒に手番金のオーダーシンクを一体成型で溶接することもありますが、このような四方が掃除し易いラウンドしたシンクは機械整形品しかできません。
整形品といっても溶接部はきれいに仕上げます。人工大理石キッチンのように接続部によごれが溜まることはありません。
こんな細かい水返しのカットも作ってみました。バックガードは一体成型ですが、タイルや腰壁の納まりは工夫にの為所です。
現場寸法を何度も採寸し、CADでミリ単位の寸法でタイルをカットしないようきれいなデザインになるように作ってみました。
ステンレスは施工性が悪く高額ですが、人工大理石にないシンプルでマニアックなキッチンを構成するまたとない素材です。
オーダー時にはデザイン・素材を生かすため、経験豊かなキッチンデザイナーに相談することをお薦めします。