アメリカ最大のキッチンと&バスルーム業界の展示会KBIS(キッチン・バス・インダストリーショー)をご存知でしょうか?
日本でも東京ビックサイトなどで住設機器の展示会がありますが規模が違います。
2020年1月にKBIS(キッチン・バス・インダストリーショー)がラスベガスで開催され見学してきましたのでその内容をご紹介します。
KBISキッチン&バス見本市について
KBIS(Kitchen & Bath Industry Show)は会期2020年01月21日 ~ 2020年01月23日、アメリカのラスベガスのコンベンションセンターで開催されました(開催都市は毎回変わります)。
出展対象のキッチン&バスルーム関連品で、キッチン、キッチンキャビネット、バスルーム、カウンター、ハードウェア、ソフトウェア、キッチン機器などです。
出展企業600社、来場者数31,000人(2019年度実績)。
世界有数のビッグイベント!
同時開催のNAHBインターナショナルビルダーズショー®(IBS)は出店社数350社、来場者数21,600人(2019年度実績)の規模を誇ります。
キッチンショーのKBISと同時に住宅建材見本市のIBSも同時開催されていて、東京ビッグサイトの5倍以上の広さで見て回るのも疲れましたがとてもいい勉強になりました。
現在アメリカの住宅・キッチンの市場規模が世界最大のマーケットになっていることから、KBIS/IBSともアメリカ国内にかかわらず世界中からの出展企業は最大級になり、その展示会の内容を知ることはとても重要だと思います。
KBISの主だった出展企業
それでは主だったKBIS出展企業を見ていきます。
とにかく出展企業が多いので日本のキッチン販売に従事されている方々に知名度があるメーカーのレポートを中心に紹介していきます。
コーラー(KOHLER)
アメリカの代表的な高級キッチン・バス機器ブランドであるコーラー(KOHLER)のブースです。
コーラーは最先端のデザインと革新を取り入れたいくつかの新製品を誇らしげに展示しています
コーラーは最近Bente Collectionの発売により、バスルームのカウンタートップ製品を拡大し続けています。
KOHLER Artist EditionsのシンクにインスパイアされたBenteは個性的でバスルームを豪華に演出すること間違いなしです。
新商品としてパープル(紫色)の洗面ボールとピンクゴールドの水栓の展示。
これらのカラーはこれらから人気が出るらしいとスタッフの女性にPRされました。日本導入はあるのかな?
黒色のエプロンシンクとシャワー水栓も新商品。
日本だとシャワー水栓って言いますが本国だとプルダウン(Pull-Down)水栓が正式名称です。
エプロンシンクはホーロー製がメインですが、他社で樹脂製のリーズナブルなシンクも多数見かけました。
シックな黒色は注目ですね。
センサー水栓の展示もありました。
タッチ式のセンサー水栓(デルタ社等が採用)では水栓も汚れてしまうと考えたコーラーは水栓を直接手で触らなくても水を出したり止めりできるタッチレス式を採用しています。
リクシルのナビッシュもタッチレスですね。
今現在のアメリカでおしゃれなインテリアカラーはつや消しゴールドとつや消しブラックです。
水栓もこんなつや消しゴールドのコレクションの展示が。
ピカピカシルバーのクローム色も定番で人気があります。
ゴールドは流行に敏感なユーザー向け。
シルバーは高級志向を求める保守的ユーザー向けといったところでしょう。
コーラーのトイレも展示されていましたね。
他にAmazon AlexaとKOHLER Konnectアプリを備えたポータブルスマートスピーカーを通じて、音楽などをバスルームで流す製品もありました。
ボッシュ・サーマダー・ガゲナウ(Bosh・Thermador・Gaggenau)
皆さんもご存じの通りボッシュのキッチン機器が日本より撤退したのがバブル崩壊数年後でしたね。
ドイツでもガゲナウの経営が行き詰まりボッシュグループの傘下に入ってしまい現在に至ります。
ボッシュは世界で2番目に大きい家電メーカーです。因みに一位はエレクトロラックス・グループになります。
こちらのボッシュグループのブースは「Bosh」「Thermador」「Gaggenau」3社3ブランドの共同出展になります。
アメリカだとボッシュ製品は普及品として、そしてガゲナウより「Thermador」製品が人気が高いようです。大きなガスオーブンもありますしね。
会場内は凄い人だかりで混雑していて、説明係と十分な話が出来ませんでした。人気の高さがうかがえますね。
会場では実際にガゲナウのオーブンで調理実演がされ料理が観客に振舞われていました。
アメリカでも富裕層はビルトイン冷蔵庫の人気が高いです。
以前のようなGEの大型冷蔵庫の姿はなくヨーロピアンデザインのスタイリッシュなステンレス製の冷蔵庫をキッチンキャビネットに組み込んだビルトインに人気があるようです。
オーブンやエスプレッソマシンもビルトイン。
ミーレも出展していたようですが、時間がなく回れませんでした。
現地のキッチンデザイナーに聞くと、ミーレよりThermador製品の方が人気が高いそうです。
コセンティーノ(COSENTINO)
コセンティーノは日本でも有名なクウォーツストーン/エンジニアドストーン「サイルストーン」「デクトン」の製造メーカーです。
「参考記事」
サイルストーンとデクトンの新柄を展示。
サイルストーンやデクトンはアメリカでも人気のワークトップ素材です。
会場のキッチンメーカーブースを色々見て回りましたが、ほとんどがクウォーツストーン/エンジニアドストーンでした。
人工大理石や天然石のワークトップを乗せたキッチンは皆無でしたね。
でも値段は高いね!!
「SENSA」という天然石大理石の展示もありました。
KBIS出展の日本企業
日本からもTOTO、リンナイ、ノーリツ、スガツネなどの出展がありましたので簡単に紹介します。
TOTO
TOTOのブースは結構広くとってありました。
TOTOの会場内にはトイレの展示の他シャワー水栓などのディスプレーもありましたが、広さの割に展示アイテムは少なめで差ほど見るべき面白いデザインの製品や機能的な製品も見当たらなく思いました。
また来場者はまばらな感じです。
ウォシュレットトイレが有名なTOTOですがアメリカでの販売はどうなんでしょうか?
もっと出展プロデューサーの方頑張ってほしいところです。
リンナイ(Rinnai)
ガス機器のリンナイも出ています。担当者に聞いたところアメリカではガス給湯器の需要が高いのだそうです。
それは同じく出展していたノーリツの担当者も言っていましたね。
その理由はアメリカ人はお湯の使用量が半端ないそう。
一般的には沸かしたお湯をタンクで貯蔵するらしいのですが間に合わなくて高性能のガス給湯器は必要になるようです。
スガツネ工業(Sugatsune)
日本の家具パーツ製造・販売のスガツネ工業を発見。LAMPブランドでハンドルを家具ハードウェアを展示していました。
その他のKBIS出展企業
その他KBISの出展企業で日本の皆さんが知っておられる会社・ブランドをご紹介します。
デルタ(DELTA)
デルタ水栓のブース
コーラーよりは小さ目。
ブリゾ(BRIZO)
ブリゾ水栓ブースはコーラーの隣です。
ハーフェレ(HAFELE)
ハーフェレは日本でも知られてきたオーダーキッチン・家具パーツメーカー。
ブルム(Blum)
日本でもキッチンの引き出しなどに使われるブルム。
エレクトロラックス(Electrolux)
スウェーデンの家電メーカー「エレクトロラックス」。食器洗い機の他キッチン機器一通りの展示。
シャーウィン・ウィリアムス(Sherwin-Williams)
アメリカ最大の塗料メーカー「シャーウィン・ウィリアムス(Sherwin-Williams)」。
スタロン(Staron)
韓国の人工大理石メーカーのロッテケミカル。日本だとスタロンのブランドで販売していますが、小規模ながら「ロセライン」というエンジニアドストーンの展示もありました。
エンジニアドストーンはイタリア・スペインのブランドが中心で、中国ブランドの出展企業もありました。
日産(Nissan)
日産自動車の建築現場用トラックの展示。
トラック でかくてカッコイイです!
マッサージチェア
アメリカ人もマッサージチェアが好きなようです。日本より2社の出店。
日本の家電量販店かと思えるようにマッサージチェアが置いてあり、来場者が次々とマッサージされている光景には笑ってしまいました。
KBISラスベガスキッチンショーのまとめ
KBISラスベガスキッチンショーのについて、皆さんもご存じの知名度のある出展企業を中心に記事・感想を書きましたがいかがでしょうか。
現在景気がいいアメリカ最大のキッチンショーなので各社とも力の入れ方が違いました。
この先端のキッチンショーについて、特に日本の大手キッチンメーカー・オーダーキッチン会社の方、インテリアコーディネーターの方が日々お客様と接する中で知識の一つになればと思います。
2日間に渡って会場に行ったのですがほとんど日本人には会わなかったですね。
会っても10人ぐらいの感覚です。会場が広いからなのかアメリカのキッチン・建材に興味がないからなのかは不明ですが少し寂しい思いがあります。
来年2021年はアナハイムで開催予定なので是非一緒に行きましょう!