ドイツのキッチンの人気について、ブログを書いています。
高級マンションに採用され売り上げを伸ばしていたドイツのシステムキッチンは、リーマンショック直後から最近までずっと販売的に厳しいご状況下にあります。
近年ずっと輸入代理店はどこも経営的に難しい状態にあり、2015年にも人気の「ツァイコ」ブランドで有名な大阪の「株式会社クッキングプラザ」が破産申請したりで。
今回は、システムキッチンのコンサルタントをしている小生が、「売れなくなったドイツキッチン」についてマーケティングしてみます。
ドイツのシステムキッチンの人気がなくなった理由
私見としてですが主に6つの原因があると思います。
①高級マンションの減少
~都内一等地(広尾・麻布)の再開発も終わり、大型物件として、最近は東京湾岸のお手頃価格の高層マンションばかりになっています。
マンションも首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)で今年上期(1~6月)に売り出された新築マンションは1万4454戸で、前年同期より20%減っています。
契約率はおよそ68%で7割を切っているのでマンションを建てても売れない状況のようす。
そして、販売価格の高いマンションでは、以前はドイツキッチンの採用も多かったのですが、今はタカラスタンダードのような国産キッチンが主流のようです。
②高級マンションのキッチン仕様の低価格化
~マンションの販売価格を抑えデベロッパーやゼネコンが利益をしっかり確保するために、半端ないコストダウンがなされています。
天板は御影石・ビルトイン機器はミーレやAEGの割りにキャビネットは国産や造作のものを使い、一見の見栄えは高級キッチンに見えます。
ここ5~6年高級マンションでも実質200万以下のキッチンとずいぶん安くなったものです。
③ドイツキッチンの優位性が無くなった
~ドイツ製キッチンと国産キッチン(キッチンハウス・クチーナ程度)の機能・デザインの差はそれほどなくなってきているように思います。
シンブルでフラットなハンドルレスの鏡面の扉だけみると、もうどこの国のキッチンかわからないです。
④消費者のドイツキッチン離れ
~マンションのモデルルームでI型やL型のお決まりの形のキッチンが展示されている場合、それがドイツブランドであろうが、ノンブランドであろうが購入者は以前より価値を見出せないかもしれません。
⑤商品と価格の整合性
~ドイツキッチンのショールームに行くと、展示されているキッチンが500万~1000万と言われます。
国産とそれほど変わらさそうなキッチンが倍以上に。
⑥リフォーム案件に対応できず
~新築一戸建てもマンションも低迷している現状。各不動産会社・ビルダーはリフォーム・リノベーションに活路を見出そうとしています。
通常リフォームは計画~完成まで1.5か月が主な期間ですが、ドイツキッチンはドイツに注文を入れて納品まで約4か月程度かかります。
リフォーム会社はドイツキッチンを敬遠しているのでは?
まとめ
ヨーロッパの市場がぱっとしないので、ドイツのキッチンメーカーは中東(ドバイやトルコ)、アジア(中国やシンガポール、日本など)に売り込みをかけていました。
しかし、それも一巡して皆さんもご存じにように中国経済の停滞で、高級住宅・高級マンションは頭打ちの状態にあります。
それでは、今どこのマーケットをターゲットにしているかというと、それはアメリカ市場です。
アメリカの住宅着工件数はリーマンショック前の状態まで回復し、そして「コンテンポラリー・ブーム」で少し都会的な雰囲気の住宅やインテリが流行っているからです。
先のミラノサローネでも、アメリカ市場を意識した木製扉のキッチンが多数展示発表されていました。
今後のキッチンデザインは、少しアメリカナイズドしたデザインが流行るのでしょうか?
でもそれは少し先のことかもしれません。
では、ドイツがだめで高級キッチンを買いたいならどうしたから良いの?
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